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 高知県の東部・安田というところに幕末、高松小埜(しょうや)という人物がいて家塾を開いていました。
 塾の名は徴する資料を得ませんが、その門下からは中岡慎太郎、石田英吉(のち男爵)、高松太郎(海援隊)、安岡斧太郎(天誅組)らの人材が出ています。安芸郡勤王志士育ての親と言われる所以です。
 この小埜、地元高知でもあまり知られていません。『高知県人名事典 新版』(平成11年・高知新聞社刊)ではエピソードも含めて詳しく紹介されていますが、見出し語は高松小埜ではなく通称の「高松順蔵」。
 インターネットを検索しても名前は見えるものの、人物像に踏み込んだ文章はほとんど見当たりません。フリー百科事典ウィキペディアにさえありません。唯一(?)龍馬堂のホームページに略歴が紹介されているのみです。
 この人物、本人はどう思うか知りませんが坂本龍馬の姉・千鶴の夫と紹介されるのが一番多いようです。当然、自由民権運動で植木枝盛らとともに活躍した坂本直寛(南海男)の父です。
 文化4年(1807年)郷士高松益之丞の長男に生まれました。母は千代。
 通称は順蔵(淳蔵とも)のほか鶴吉、諱は清素、小埜は近くの小野山にちなんだ号です。 
 ここら当たりまではインターネットで調べることができますが、以下『土佐史談』をもとに、この人にまつわるエピソードを全国発信いたします。
 105号(昭和38年)と112号(同40年)に地元の中学校長を務めた郷土史家・安岡大六氏(筆名は大麓)が小埜のことを書いています。
 小埜は8歳で郷士職を継ぎ、やがて江戸へ出て学問を研究するとともに長谷川流の居合術を修行しました。居合は彼の得意とするところで、
 「小豆を口に含み、これを吹き出すと同時に抜刀して切り、2つになった小豆が下に落ちぬ間に刀はすでに鞘に納めていたと云う」 
 「  」内は原文そのまま引用さしてもらいました。次も同じ。
 「或夏、高知から帰る途中、赤岡を通っていると、涼台へ腰を下していた若者が、小埜が過ぎた後から犬をけしかけた。犬はしきりに小埜に吠えかかったが、彼は平然として歩いていた。しかし急に犬の声が止まったので、若者たちが行って見ると、あわれ犬は真二つになって倒れていたが、刀を抜く手は見せなかったと伝えられる」
 坂本龍馬との関係は冒頭に述べましたが、千鶴は龍馬より18歳上の長姉で、父八平が亡くなったばかりの頃、龍馬へ出した手紙が残っています。龍馬の健康を気遣って、栄養をとり灸をすえなさいとすすめたあと「自分に気を付けんと、今は気をつける人ないぞよ」と姉らしく言い聞かせています。お守りを送ったとも書いています。(宮地佐一郎『坂本龍馬全集』558ページ)
 高松家の住まいは、西に小野山、北は竹やぶ、東北は八幡宮の森があり、南には祖父が3人の子供が生まれた時に植えたという3本の老松が聳え、その間から街の人家の屋根越しに太平洋が眺められたといいます。
 龍馬もたびたび姉夫婦の家にやってきて、わが家のようになにも挨拶せずに座敷へ上がり込み、そのまま寝転んだり、起き上がったりして、椽に立っては海を眺めていたという話が伝えられています。
 小埜は「武」ばかりでなく「文」の面でもたしなみがあり、絵は篆刻で有名な壬生水石に学び、和歌の道にもいそしんで歌集『採推歌』4卷(2000余首)を残しています。 
 千鶴は文久元年(1861年)12月25日、45歳で夫に先立ちましたが、翌春、庭の桜の花を霊前に手向けた小埜の歌があります。
  『もろともにながめし花も此の春は仏の前にささげつるかな』
 彼の名はやがて藩主山内容堂の知るところとなり、再三使者を立てて召し出そうとしましたが、固辞して出ませんでした。
 その後、郷士職を弟の勇蔵に譲り、小野山の麓で悠々自適の生活を送りましたが、彼の高風と学問を慕って集まってくる若者を集めては和漢の学や敷島の道を説き、幾多の人材を養成して明治9年(1876年)8月2日亡くなりました。70年の生涯でした。

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